重複の意味
「大人になると」6月6日木ノ下歌舞伎主宰木ノ下裕一氏が、『源氏物語が問う孤独』という表題でコラムを書かれていました。その中で木ノ下氏は、『「源氏物語」を初めて読んだのは大学生のころ。残念ながら、あまり面白いとは思えず、「須磨」「明石」の帖あたりで断念(略)光源氏という男が鼻についた。「我になびかぬ女などいない」と言わんばかりの傲慢な振る舞い、その身勝手さ~』と源氏物語との初対面のときのことを書かれています。その木ノ下氏が、『最近、必要が生じて、しぶしぶ、読み返してみた。すると、これが面白い!スルスルと光源氏の終焉まで読み終えてしまった。光源氏が心底あわれに思われた縁の薄かった実母の面影を追い求めて、多数の女君との逢瀬を重ねるが、その心はけっして満たされることはない。究極の孤独ではないだろうか』と考えるよう...重複の意味