宇宙が見えたとき
はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」 泳げないわたし 宇宙 刹那のできごと 宇宙になる 泳げないわたし 高校生だったわたしはまだ泳げず、夏休みのプールで、プカリと浮かんでおりました。 自由時間だったと思います。 ぼんやりと空を眺めながら、何も考えずに空を見ておりました。 だんだんと心は空に向かっていき、心の中はますます空っぽになりました。 宇宙 その時、ふっと目の前が暗くなりました。 何もかも忘れて浮かんでいたわたしの目の前にあったのは、真っ暗な空間。 それと星々でした。 漆黒というよりは濃紺に近かったでしょうか。 全く時間の感覚がなくなりました。 何も聞こえなくなりました。…